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都市伝説に秘められた謎

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取調室でのカツ丼

トンカツを出汁と砂糖、醤油で味付けして溶き卵でとじ、どんぶりに盛ったご飯に乗せたカツ丼……書いていてお腹がすいてきました。

全国に味噌カツドンやソースカツ丼など、数多くのバリエーションがあるカツ丼ですが、どんな都市伝説があるのでしょうか。

定番のシーン

テレビドラマでの一コマ。警察の取調室で、中々自白しない被疑者に対し、取調べしている警察官が、一服を勧め、カツ丼を食べさせる。落ち着きを取り戻した被疑者は、自分がやったことを自白する。こんなシーンがありましたね。

漫画の世界でもたまに見られますが、なんとなく、取調室=カツ丼というイメージがあります。これは実際に見られる光景なのでしょうか。

カツ丼都市伝説

結果から言うと、警察の取調室でカツ丼はでません。カツ丼どころか、取調室で飲食をしてはいけない事になっています。では何故このようなイメージが出来上がってしまったのでしょうか。

かつてまだ日本が貧しくて、食べるにも困っていた時代、庶民にとってカツ丼はとんでもないご馳走でした。その頃の掲示ドラマの中のワンシーンに、刑務所に入ってしまうと、二度とカツ丼なんかは食べられなくなると、安い給料にも関わらず、被疑者のためにカツ丼を出前してもらい食べさせたところ、その刑事の情にほだされて犯行を自供するというシーンがありました。

あくまでもドラマのワンシーンで、本来はありえない設定だったのですが、『取調室ではカツ丼が出る』『自白するとカツ丼が食べられる』と誤解されるようになり、実際はないことなのに、都市伝説になってしまったのです。

何故カツ丼?

取調べ中にカツ丼が出るのはドラマの世界の中の話ということが分かったところで……何故数多くある食べ物の中で、カツ丼だったのでしょうか。

カツ丼

今でこそ、数多くのデリバリーメニューがありますが、当時の店屋物のメニューと言えば限られたものしかありませんでした。店屋物の注文先の多くは蕎麦屋であり、取調べ中に伸びてしまたり、当時高級品だったので、冷めてしまっても気にせずに食べられるということで、蕎麦屋で扱っているカツ丼になったと言われています。

それでは実際の取調べで、長時間に及ぶ場合の食事はどうしているのでしょうか。

食事をする場所は取調室ではなく、留置所になります。必ず食事時間が設けられていて、空腹のまま自白を迫られて調べられるということはありません。このとき出前を頼む場合、自費で頼むことになります。

これも都市伝説?

取調室で、警察官が自腹を切ってカツ丼をご馳走し、結果的に自白に成功した場合、『カツ丼で買収されて、自分に不利益な虚偽の自白をさせられたもので、自供内容に証拠能力はない』と、裁判で主張した者がいたので、それから取調室でカツ丼を出すのをやめたとする説もあります。

どちらにしても、現在取調室で飲食ができないということには変りありませんね。

実際にあったカツ丼事件

2006年9月6日。実際に取調室で、被疑者に対してカツ丼を食べさせたとして減俸3ヶ月の懲戒処分を受け、依願退職に追い込まれた警察官がいます。

カツ丼は警察官が自腹を切ったものではなく、被疑者の知人が持ち込んだものなのですが、留置所内で食べさせるべきものを取調室で食べさせていました。

世間にはカツ丼がクローズアップして取り上げられましたが、ここまで重い処分が下った背景には、暴力団関係者だった被疑者に対して、家族との接見を接見室ではなく、取調室で接見させるなどして、その後の捜査で利用しようと考え、便宜を図ったことに対して処分が下ったのです。カツ丼だけが処分の原因ではありませんでした。


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