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都市伝説に秘められた謎


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都市伝説と噂の違い

『人の噂も七十五日』 これは、世間の噂はいつまでも続かずに、しばらくすると忘れられてしまうということを意味しています。

都市伝説と噂の違いは、いつまでも語り継がれる都市伝説に比べ、噂はあっという間に忘れ去られてしまうことにあります。中には、噂から都市伝説になっているものもあります。

都市伝説の特徴

都市伝説は、一時期盛り上がりを見せ、仮に一度下火になってもまた何度でも盛り返してきます。そのたびに、時代背景に合わせて内容が少し変っていたりしますが、基本的なものは同じです。ですから、一つの都市伝説に、いくつものバージョンができあがる場合もあります。

都市伝説が長きに渡って語られているのには、その内容に悪意がないものが殆どだからでしょう。都市伝説も噂も興味をそそられるものですが、その内容に悪意があっては、長いこと語られないのではないでしょうか。

噂

噂

話の内容が事実であれどうであれ、世の中で言い交わされている話のことを『噂』と言いますが、ここまでだと都市伝説も一緒です。噂が都市伝説と違うのは、ゴシップやデマ、流言なども噂に含まれるということです。

マスコミなどでのゴシップは、スキャンダルとして不祥事や醜態を取り上げることが多く、事実かどうかも曖昧です。

デマに至っては、事実ではないことがほとんどで、悪意のあるものもあります。誰かを陥れるためにデマを流されることが多く、都市伝説とは全く要素が違います。

流言は、ちゃんとした知識も情報もないままに広める噂のことです。噂が連鎖的に広まって、最終的には全体に広まってしまいます。

次に、流言やデマで実際に起こったことの例を挙げていきます。都市伝説との違いが説明しなくてもお分かりになるでしょう。

トイレットペーパー

トイレットペーパー

1973年、オイルショックによるトイレットペーパー騒動がきました。懐かしの出来事系の番組で、古い映像を見たことがある人もいるでしょう。

大阪のスーパーで、特売用のトイレットペーパーの広告に、【紙がなくなる!】と書いたのです。『安売りで売るから、すぐに売り切れてしまうよ』という意味だったらしいのですが、あまりにも言葉が足りないというか、使った言葉がまずかったように思います。

この広告を見て、300人近い主婦達が、トイレットペーパーを求めて列を作りました。500個のトイレットペーパーが2時間で完売になってしまったのです。実際、原油価格が高騰していて、紙がなくなるかもしれないという不安心理が働き、噂が一人歩きして各地に広まり、あちこちの店舗で紙を求めて行列ができるようになりました。この様子をマスコミが取り上げたため、全国に混乱が伝わっていきました。

高度経済成長期で、惜しげもなくものを消費していた国民にとって、物不足に対する恐怖がパニックを起こし、全国的にトイレットペーパーやティッシュペーパーを求めて騒動が起きたのです。

豊川信用金庫事件

1973年、女子高生が卒業後の就職先の話をしていたことから始まります。

豊川信用金庫に就職が決まっている子に対し、『豊川信用金庫は危ないんじゃないの〜?』と、友達が茶化しました。言われた本人は気にしていなかったのですが、下宿先の叔母の家に帰宅してからその話題が出ました。この叔母が、豊川信用金庫の近くに住む知人に『豊川信用金庫が危ないっていう噂がある』と聞くと、単なる噂だと言われます。こうして、人から人へ、徐々にこの噂は広がっていきますが、誰も本気にはしていませんでした。

ある日、噂を知るクリーニング店に、慌てた様子で電話を借りに来た男性がいました。電話の内容は、『今すぐ豊川信用金庫で120万おろしてきてくれ』というものでした。そばで聞いていた店主は、とっさに噂を思い出しました。そしてすぐに自分も豊川信用金庫で180万円おろしてきたのです。もちろん、電話を借りに来た人は、自分が必要でお金を用意するように電話をしていただけなのですが、噂を知っていた店主は、噂は本当だったと勘違いしてしまったのです。友人や得意先にも連絡し、その中にはアマチュア無線を趣味にしている人もいて、無線でも呼びかけてしまったのです。

結果、その日も翌日も、豊川信用金庫では預金を全額引き出す人でパニックが起き、1日で5億円近くの金額が動くことになりました。更に翌日には派生デマも起き、銀行内でお金の使い込みがあった、5億円もの持ち逃げがあって経営が怪しくなった、理事長が不況を気にやんで首をくくったなどのデマまで発生し、数多くの派生が発生します。ここまでくるとマスコミが報道するようになり、当時の大蔵省の財務局長や、日本銀行支店長が連盟で経営を保障する張り紙をしたり、理事長も駆けつけた客の対応に当たり、なんとか騒ぎは収まります。

警察は、女子高生が豊川信用金庫の話をしてからたった8日目でこの騒動のデマの伝播ルートを解明してマスコミに発表したことで、事件は一気に沈静化しました。


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