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都市伝説に秘められた謎

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黒いキューピー人形

黒いキューピー人形と言っても、都市伝説で囁かれているキューピーは人形ではありません。

いかにも現実にありそうな都市伝説があるのですが、元は20年ほど前のヨーロッパでの都市伝説が日本風に形を変えて囁かれているようです。

キューピーの都市伝説

キューピー人形

一人の女性が父親の分からない子供を身ごもりました。事情があり、子供を処分することができなかったため、彼女は子供を産むことを選択します。誰かから祝福されたような出産ではなかったために、流行っていない寂れた産婦人科で人知れず出産し、ひっそりと退院していきました。

平凡なOLだった彼女は暮らしも裕福なわけではなく、生まれた子供を育てていくために、家賃の安い、古ぼけたアパートに移り住み、つましい生活をしていました。ある日、赤ちゃんが寝てから買い物に出かけた彼女は、出先で事故に合い、命を落としてしまいます。

ひっそりとした暮らしをし、引越ししてきて間もなかったために、近所の人との交流もありませんでした。結局彼女は身元不明ということで、無縁仏として葬られることになりました。それからしばらくして、彼女が暮らしていたアパートの部屋に、大家さんが尋ねてきました。数ヶ月、家賃が振り込まれていなかったためです。夜逃げでもしたのだろうかといぶかしながら合鍵を使って部屋のドアを開けました。そこには夜逃げの雰囲気はなく、ついさっきまでそこで生活していたかのように、家財道具一式が置かれています。

見ると黒くて大きなキューピー人形が置いてあります。カーテンを閉め切っていて薄暗い部屋の中、大家さんはそのキューピー人形を手にすると、ハエやゴキブリがサーっと部屋中に散り、大家さんの手には、白骨化した赤ちゃんが……。

母親がいなくなった赤ちゃんもやがて息絶え、黒いキューピー人形に見えたものは、ハエやゴキブリがたかった赤ちゃんだったのです。

都市伝説が示すもの

何気に事実としてありそうな都市伝説です。

都会では、隣に住む人の顔も知らないということが、当たり前になっています。まして、訳ありの人などは、周囲の人はもちろんのこと、近所づきあいも避ける傾向にあり、ひっそりと暮らしています。そんなとき、何か事件が起きた場合、このような都市伝説のような事件も起こりうるということです。

また、どんな事件が起きようとも、周囲は関わりたくないという傾向もあるようです。隣近所が顔見知りで、せめて挨拶をする仲であれば、少しはこういったことが回避できるかもしれません。

違う視点

この都市伝説を違う視点から見てみましょう。

不幸にも女性は赤ちゃんを部屋に残したまま、無縁仏として処理されてしまうのですが、部屋に残してきた赤ちゃんは、本当に赤ちゃんだったのでしょうか。

もしこれが、本当のキューピー人形だったとしたら? 結ばれない恋をしていた女性が、男性と別れることになり、悲しみのあまり、キューピー人形を自分の本当の子供だと思い込んでしまい、ひっそりと人形を育てながら暮らしていて、不幸な最期を遂げる。部屋に残されていたのは、彼女が自分の子供だと信じて世話をしていたキューピー人形だったとしたら……どちらにしても、悲しい出来事になってしまうのですが、やるせないものを感じます。

どちらにしても、彼女は精神を病んでいたのかもしれないととることができます。そして買い物か何かで外に出たときに、ふらふらと車道に出て事故に合ったのかもしれません。この都市伝説は、周囲とのかかわりや、恋愛の仕方を考えさせられるものと言えるでしょう。

実際、昔は黒いキューピー人形が実在していました。(現在では日本に1体しかないと言われています)


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